【眠り研究:第6回】~高齢者の眠り~[年齢と共に変わる睡眠]

「眠り」研究

年齢を重ねると自分自身で眠ることが難しくなってくる。それは生理的な現象と、物理的な原因が関わり合うためです。これまでできていたことができなくなる不安は、その理由を知っているだけで軽減します。自分自身に起こる変化、また大切な家族に起こる変化ですので、その知識を増やしていきましょう。

高齢者の眠りを知る(1)

眠りの時間は本来休養と回復の時間です。良質な睡眠がとれれば、成長ホルモンが分泌され、日中のダメージの回復が促される時間です。子供であれば身体の成長に必要な細胞生成が活発化され、成長が必要のない大人にとっても、肌のダメージの回復、内臓ダメージの回復等の時間となり、ヒトが健康に生きていく上で欠かせない時間です。


〇年齢を重ねると眠りの質が変わる


一言に睡眠と言っても、眠りには「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」の2種類があります。これは、有名な話ですね。


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レム睡眠は、身体の力は抜けているものの脳は活動している状態です。一方、ノンレム睡眠は脳の活動が低下している眠りで熟睡と言える状態です。この2つの睡眠を周期的に繰り返すのが通常の眠りですが、高齢になってくると、ノンレム睡眠をとりにくくなってきます。日中の活動量も減り、基礎代謝も減っているため、ノンレム睡眠が必要なくなってくるというライフスタイルも関係してきます。


〇ホルモンバランスの変化により、体内時間がずれる

1日は24時間ですが、ヒトの体内時間は24時間ではありません。最新の研究では24時間10分と言われていますが、これも個人差があり、これよりも長い人、短い人がいます。ヒトは実際の時間と体内時間のズレを日々の生活リズムの刺激により、調整をしていきます。

よく、良質な睡眠をとるには「朝に朝日を浴びること重要だと言われます。

これは、朝日を浴びて覚醒すると体内時間がリセットされるためで、ヒトはその時間から14~16時間後に眠くなるように睡眠ホルモンが働きます。こうしてホルモン調整をしながら「夜に寝て、朝起きる」という生活リズムを整えていくのですが、高齢になるとこれも難しくなります。ホルモンバランスの変化により体内時間の調整が上手くできなくなり、「早朝に目覚め、眠れなくなってしまう」ということも起こります。


高齢者の眠りはデリケート

本来、眠りにはサイクルがあり「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」を繰り返すとお話しましたが、ノンレム睡眠がとりにくくなると、ヒトの睡眠は短い周期で分断されてしまいます。そのため、夜に何度も起きることが多くなります。

また、その眠り自体も浅いものになりますので、ちょっとした物音、体の違和感によっても、目覚めてしまいます。高齢になると睡眠の時間はよりデリケートになりますので、寝具のストレスの軽減、物音の少ない静かな環境、室内の温度変化に気を配るなど睡眠時のストレスをできるだけ少なくすることが重要です。


いずれも、生理的な体の変化によるもので、だれにとっても起こる変化です。

以前よりも眠りが浅く、眠ることが難しくなったと自身で感じても、神経質になったわけではなく、自然な変化と受け止めていきましょう。また、大切な家族が睡眠に悩みをお持ちでしたら、睡眠環境の見直しを一緒にしてみましょう。

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