腸内にすむ善玉菌、悪玉菌の役割とは?

腸内にすむ善玉菌、悪玉菌の役割とは?

腸活をはじめよう!

歳を重ね、無理がきかない年代になってくると、健康を意識することが多くなります。

最近は腸活という言葉もよく耳にするようになりましたが、善玉菌と悪玉菌くらいなら何となく知っているけれど、詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。

腸内細菌の種類とそれぞれの役割についてあらためて見ていきましょう。

腸内細菌その1 善玉菌

善玉菌は、人の腸管に存在して腸内環境を整えてくれる菌です。
善玉菌には、主に以下の6つの働きがあります。

• 悪玉菌の増加を抑えて、腸内環境のバランスを整える
• 体に有益な物質を産生し代謝を良くする
• 病原菌の活動を阻み、感染症を防ぐ
• 免疫力アップ
• 発がん性物質の分解
• ホルモンの代謝

善玉菌は、以下の野菜に多く含まれる「食物繊維」や「オリゴ糖」を主なエサとして増殖します。

• ごぼう
• たまねぎ
• にんにく 等

善玉菌を増やすために、野菜の積極的な摂取を心がけましょう。

善玉菌には多くの種類がありますが、代表的な菌としてビフィズス菌が挙げられます。

人の腸内に存在する善玉菌のほとんどはビフィズス菌なので、「腸内環境を整えるために善玉菌を増やそう!」と思ったら、ビフィズス菌を含む食材を積極的に摂取すると良いでしょう。

ビフィズス菌が含まれている食材は、ヨーグルトや青汁などが挙げられます。
ただし、ビフィズス菌は酸に弱いため、胃酸の排出が少ない食後のタイミングでの摂取をオススメします。

腸内細菌その2 悪玉菌 

悪玉菌は、炎症を起こしたり体に有害な物質を作ったりするなど、腸内環境に悪影響を及ぼす菌です。

腸内に悪玉菌が増えることで、以下のような疾病を発症する可能性が高まります。

• 糖尿病
• 大腸がん
• 動脈硬化症
• 炎症性腸疾患 等

代表的な悪玉菌は以下の2つです。

• 大腸菌
• ウェルシュ菌

大腸菌は、ビタミンを産生したり感染症から体を守ったりする働きがありますが、一定数を超える事で腸内環境を破壊してしまいます。
ウェルシュ菌は、腸内に存在している数は大腸菌よりも少ないですが、有害物質を発生させます。
この有害物質が、アレルギーや潰瘍性大腸炎を引き起こすと言われています。

ただし、悪玉菌は体に悪影響のある物質を生み出しているだけではありません。
悪玉菌は、肉類などのたんぱく質を分解して便として排泄する処理をしています。
悪いイメージのある悪玉菌ですが、人間が生きていく上でなくてはならない菌です。

大切なのは、悪玉菌を過剰に増やさないようにすること。悪玉菌の増加を防ぐために、エサとなる「脂質」の多い食事は控えるようにしましょう。

腸内細菌その3 日和見菌

日和見菌とは、腸内で最も多く存在しており、基本的には善玉菌と悪玉菌のどちらにも属さない菌です。

代表的な日和見菌は以下の3つです。

• バクテロイデス
• ユウバクテリウム
• クロストリジウム 等

日和見菌は、腸内の善玉菌の数が優勢になると善玉菌に、悪玉菌が優勢になると悪玉菌へと変化します。

悪玉菌は、病気や体調不良などが原因で増加します。
その結果、日和見菌が悪玉菌へと変化してしまい、便秘や下痢、肌荒れやアレルギーを引き起こす可能性が高くなります。

腸内の悪玉菌を増加させないためにも、体調を崩さないように規則正しい生活を心がけましょう。

腸内細菌はバランスが大事

腸内細菌のバランスは、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7が理想とされています。

腸内には、細菌がおよそ1000種類、100兆個程度生息しています。
これを腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と呼んでいます。

通常、腸内細菌叢の中で日和見菌は7割を占めています。

先述した通り、日和見菌は腸内で優勢な方につく菌のため、悪玉菌が増加し日和見菌が悪玉菌の味方になることで、腸内環境が悪くなってしまいます。

悪玉菌が増えて腸内細菌叢のバランスが崩れないように、脂質の多い食事を控えて、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

「腸内環境が悪くなるならば、悪玉菌を全部取り除いてしまえばいいのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、悪玉菌を全て取り除いてしまうと善玉菌が働かなくなってしまい、消化吸収が上手くいかなくなってしまいます。
悪玉菌がいるからこそ善玉菌が正しく働き、健康を維持してくれます。

どれか1つの菌を増やしたり減らしたりするのではなく、全ての菌のバランスを整えましょう。

まとめ

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分けられ、それぞれ2:1:7の割合で存在しています。

それぞれの菌がバランス良く活動することで体の健康を守っているため、菌のバランスが崩れた際には、下痢や便秘になったり、最悪の場合はがんが発生したりする可能性もあります。

善玉菌を増やすためには、善玉菌が含まれているヨーグルトなどを食べるのはもちろん、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含んでいる野菜を食べるのもおすすめです。

特に、善玉菌は老化によって減少してしまいやすい菌です。
年齢を重ねた世代は、善玉菌を増やすような行動を積極的に行っていきましょう。