【スペシャル対談】新法案が始動、これからをどう生き抜く?ニッポン人。
100万人にひとりの人間になるための教育と環境づくり

教育改革実践家
藤原 和博

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株式会社ハンディネットワーク インターナショナル
代表取締役 春山 哲朗

スペシャル対談vol.5
2019年5月7日

出入国管理法の改正によって、外国人労働者の働き口として介護業界が注目を集めています。そうした動向に対して、教育改革の実践家である藤原 和博さんにお話をうかがいました。



春山 藤原さんが私の父・春山 満と出会ったのは、父の初めての著書『どないしましょ、この寿命―医療・福祉ビジネスで快進撃を遂げる車イス社長・逆転の発想』(エイチアンドアイ)の出版パーティーのときだとうかがっています。

藤原 そうですね。インパクトの強いご挨拶だったなあ。これはただ者ではないぞ、と思いましたよ。本の内容も、強烈なメッセージだった。僕がリクルートにいて、介護の情報誌の可能性を探っていた頃です。リクルートが持つノウハウで、介護を活性化したり明瞭化したり、比較検討したりして、科学的にコンサルできることがあるんじゃないかと考えていました。春山さんには、そのときに色々とご協力いただきました。

春山 その頃は、まだ介護保険の施行前でしたね。介護用品すらまともになく、介護用食事テーブルや入浴機械などを開発した父は、話題を呼びました。今では様々な種類の介護用品が販売されています。一方で、介護業界の人材は枯渇してきています。介護という職種が、選ばれなくなっているのです。そうした時代の流れを受けて、私たちハンディネットワーク インターナショナル(以下、HNI)では、これまでの教育事業のノウハウを活かし、外国人介護労働者を日本へ取り入れるためのスキームづくりに取り組んでいます。改めて、教育のむずかしさを感じているところです。藤原さんは現在、教育改革実践家としてご活躍されていますが、大手企業であるリクルートから教育の世界へ転身された背景には、どういうお考えがあったのですか。

藤原 日本は、1997年に経済成長がピークアウトして、1998年から成熟社会がはじまりました。経済的には豊かになり、1980年代には一人当たりのGDPが世界第2位の時代もありましたが、僕が37歳のときにイギリスとフランスへ赴任してみると、教育、医療・介護、住宅の問題が、ヨーロッパ諸国に比べて日本は未整備であることを痛感しました。この3つは暮らしの根幹ですから、根底から変えていかないと、まともな成熟社会を迎えることができず、このままでは日本は指の間から幸福感がこぼれ落ちるような社会になってしまうのではないかと。使命感のような思いを抱えて帰国し、40歳でリクルートを退職したのです。40代からは、子どもに背中を見せながら働くためには、サラリーマンではなくテーマを追いかける人間になりたいという思いもありました。教育、医療・介護、住宅それぞれにビジネスパートナーを求めていた、そんな折に出会ったのが、春山さんでした。

春山 そうだったのですね。そこから、家族ぐるみのお付き合いがはじまりました。

藤原 春山さんとは共に、介護に関して試験的に会社を設立しました。住宅に関しては、都市デザインシステムに出資して社外役員になり、単なる調査、研究、提言にとどまらず、自分に何ができるのかを確かめていました。そのような取り組みをする中で、住宅、介護に関しては、自分が貢献できることは少ないと感じて。ただ、教育に関しては、長男6歳、次男2歳、長女はパリで生まれてまだ0歳と、あと10年は義務教育のお世話になるし、自分の子どもを見ることでマーケティングができるんじゃないかと思ったのです。僕はこれを「自分マーケティング」と呼んでいます。自分自身の周囲を見ていれば、色々なことがわかってくる。それで、まずは地元の永福小学校のサポートからはじめました。その後は、杉並区長に知人が出馬したので応援し、杉並区の教育ビジョンを編集したり。政治家という立場だとかえって対策が手遅れになりがち。だから、現場に入って地域ぐるみでひとつの学校を変えてみせようと、リクルート流のマネジメントを試したんです。すべての判断基準は、「こどもたちの未来を開くかどうか」の一点のみ。悪い情報を隠蔽するような体質もある学校教育の世界で、いいことも悪いこともマスコミに広く公開する教育現場にして、教育目標から全部、2年間で150くらいのことを変えました。何か弊害があれば、執着せずにすぐにとりやめました。教育現場のモデルをつくって、和田中をショールームにして、理想とする教育現場のあり方を波及させていくことが目標でした。

情報編集力を身につけて、かけがえのないレア人間を目指そう

春山 世界の教育現場を見聞きした藤原さんにとって、実際に教育現場に入ってみて、日本はどういうところに課題があると感じましたか。

藤原 正解主義というんですが、正解を教えるという考えが強過ぎると思います。もっと言うと、今の日本の教育現場は、正解主義、前例主義、ことなかれ主義がセットになっていて、学校文化を形成しています。9割正解を教える、前例がないことはやらない、前例がない場合は、たとえ保護者や生徒会から提案があっても、できない理由を挙げては潰していくという考え。波風を立てないように、ルール通りに正しくものごとが運ぶことをよしとする風土です。学校のいじめ問題でもそう。実際は、成熟社会においては正解がひとつであることはほとんどないので、親やコミュニティの人々など関わる他者を集めて、主体的に、協働的に、いい知恵を出し合って、みんなが納得できるような納得解を創り出すことが大切です。僕はこの、納得できる仮説を創り出す力のことを「情報編集力」と言っています。成熟社会が深まれば深まるほど、正解を早く正確に当てる「情報処理力」から、「情報編集力」へ要求される力がシフトしていくのです。処理力がある人は正解を探すのはうまいけど、ロボット・AI社会になると、早く、正確にといった処理業務は、AIに奪われてしまうでしょう。自動処理できないような想定外の問題の中で、納得できる解を見つけていく力や、ダメだったら責任をとる、実現するまで無限に修正していくなど、もっと人間らしく、考えたり判断したり、複眼思考で上手に疑うことができる子を育てなければならないと思っています。

春山 情報処理力と情報編集力、なるほど、おっしゃる通りですね。藤原さんは他にも、「100万人にひとりの価値がある人間になれ」というお話もされていますね。とても好きな考え方なので、改めて聞かせてください。

藤原 学校文化のもうひとつの側面に、小学校の教育目標としてほぼ共通しているのが「みんな一緒に仲良く、元気よく」という考えです。もちろん大事な基本原則ではありますが、これを突き詰めていくと、どんどん個人の価値が失われて、同質化してしまいます。仕事で考えても、みんないっしょにできる仕事は誰でもできる仕事ですから。コンビニやファーストフードの仕事なんかはそうですね。だから、ちょっと日本語が話せるような外国人に据え替えられて、時給が上がらないという悪循環が生まれます。時給が上がるというのは、その仕事のかけがえのなさが上がるということ。介護の分野もこれから需要が高まってくると思いますが、供給が少ないことをやっていかないと時給は上がっていかないでしょう。もしくは、ある特定のコミュニティでただひとりしかやってないようなオリジナルでユニークなことを見つけなければなりません。例えば、ランドスケープデザインができる庭師とか、リハビリのうまい介護士、ドッグセラピーができる施設長など、付加価値を付けてエキスパートの領域に入ることで、「あなたじゃないとだめ」と言われた人たちは、指名買いですから、時給が跳ね上がる可能性がある。それは、技術や大変さという尺度ではなく、希少性を身につけるかどうかということ。仕事の値段も商品の値段と一緒で、皆が公民の授業で習う「需要と供給」のバランスで値段が決まるのですから。

春山 自分ごとに置き換えて考えました。わたしは、父が亡くなってから旅行事業に切り替えました。介護に関しては7~8年間取り組んでいて今も継続してやっていますが、希少性を考えて、あたらしく旅行というジャンルを取り入れたのです。

チャンスは掴むもの、3つ目の特技で次のステージへ

藤原 僕はさらに、100万人にひとりのレアさを手に入れるためには、3つのキャリアを掛け算して、キャリアの大三角形をつくりなさいと教えています。一つの仕事で1万時間かければ100人に1人(100分の1)の希少性がゲットできるから、これを3回掛け合わせたら100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1という計算です。この確率は、ちょうどオリンピックのメダリスト級のレアさになりますし、同世代に1人のユニークな仕事をしていることにもなります。ポケモンカードで例えると、ヤフーオークションで価格が跳ね上がるような「レアカード」です。ひとつの仕事は、大体1万時間やるとマスターすると言われています。世界中どこの国でも、義務教育は1万時間。つまり、1万時間かければ、手先が不器用な人でも奥手な人でも関係なく、日本語を支障なく使い回せる日本の国民がつくりだせるわけです。これは、1日3時間であれば10年、1日6時間取り組めば5年で身につく計算。つまり、20代、30代、40代の各世代で、異なる分野に1万時間ずつかければ、誰でも3つの仕事をマスターできるはずです。1万時間かければ、100人に1人の希少性ある営業マンとか経理マン、介護士や理学療法士になれる。それから例えば、経理と財務、営業と広報、メーカー勤務から工場勤務へとか、キャリアをもう一つ1万時間かけて掛け算していく。主婦業だってひとつの技術です。こうして20代から30代で2つの仕事をマスターできたら、キャリアの三角形の2辺が完成。あとは40代にもう一つキャリアを掛け合わせて、3つめの掛け算で一気にレアさが決まるというわけです。

春山 なるほど。藤原さんの場合で考えると、どういうことになりますか。

藤原 僕の場合は、最初はリクルートの営業でプレゼン技術をマスターしました。27~37歳は、マネジメント技術。40歳で振り返ってみて、この2つの掛け算だけの経歴だと、プログラミングが得意なIT系や帰国子女で英語だけじゃなく中国語もOKなんていう若いやつが出てきたら、自分の価値はどんどん下がるなと感じました。だから、まったく畑が違う学校の校長をすることでユニークな価値を出すことにしたんです。三角形の面積=希少性の大きさですから、3歩目のジャンプの高さが、自分にレアな付加価値が付くかどうかのポイントです。もちろん、40代から50代のチャレンジだと、普通周りは猛反対します。でもそれが実現できたことで、猛烈な希少性が生まれました。こういうことは、計算なしのある種の無謀さが大事だし、いったん自分を安売りすることも大事。一般家庭に生まれ、普通に育った人がオリンピックのメダリストと同じ希少性を出すためには、3つのキャリアを掛け算する方法が、遠回りのように見えて、実は一番の近道になります。

春山 面白いですね。わたしが旅行業に取り組んだのは4年前でした。当時、東京では、介護と旅行がセットされたプランはありましたが、大阪にはなかったので注目されました。でも、やりはじめたらすぐに、同じようなことをする人たちがいっぱいでてきたんです。だから今、最後にジャンプアップするための3つ目を探しているところです。

藤原 積み重ねていく先に一歩踏み出せるようなチャンスの女神がやってくるはず。つかむかどうか、分析している時間はないでしょうね。チャンスの神には後ろ髪がないから。

春山 確信と情熱とロマン。計算すると、ジャンプはできないということですね。

教育、医療・介護、住宅を整えることは暮らしを整えること

春山 さきほど藤原さんがお話されたように、すでに日本のあらゆる現場で外国人労働者が働いています。4月から施行された出入国管理法の改正で、外国人がもっと日本へやって来やすくなるわけですが、これについてはどう思われますか。

藤原 GOだと思います。今現在、日本にいる外国人は125万人と言われていますが、将来的には日本の人口の1割くらいはいてもいいんじゃないでしょうか。でもそのためには、最初に話した教育、医療・介護、住宅という3つの条件を整えてあげないと、彼らはよい暮らしができないでしょうね。一方で、外国人旅行者の数が、2020年代中にどこまで増えるのかも気になるところです。日本は、温泉や景勝地など、地方においても四季折々に色々な表情を見せる大自然が広がっています。こんなに観光資源が豊かな国は他にありません。パリを擁するフランスを訪れる観光客は年間8千万人だそうですが、これを超える可能性だってあると思います。外国人が落としてくれる外貨の価値は、車を輸出して稼ぐ外貨と同じ。もはや工業加工立国ではない日本では、観光客で経済の活性化を図らなければなりません。今はまだ、ハイエンドな人たちは日本を素通りしていますから、こういう人たちにも来てもらいたいですね。

春山 旅行業をはじめてから、自分自身も全国各地へ旅をしていますが、本当に日本は魅力的な観光スポットがたくさんあると感じています。

藤原 今後20年くらいで1億人の外国人旅行者が闊歩するようになると考えたら、これは住んでいる国民の数と一緒です。今でもすでに、渋谷のスクランブル交差点を観察してみると、半分くらいは外国人です。そんな中、住んでいる外国人が1%というのもおかしな話です。人材という点では、介護だけではなく、医療といった高度なサービスの労働力も足りなくなってくるでしょう。すでにアメリカでは、医療分野にインド系の人たちが入っています。そうした労働力も受け入れていくために、日本はまず、外国人労働者のための制度や条件をしっかりつくることが必要です。ダークサイドの課題も出てくるとは思いますが、それを悲観するのではなく乗り越えていかないと、日本の未来は立ち行かなくなるでしょう。

春山 この状況下で、日本人だけで支えていこうとしていることがすでにお手上げ状態ですよね。藤原さんがおっしゃるように、外国人を受け入れるために、生活、就業関係をしっかり整えていかないと、日本の悪い口コミがスマホで世界中に流れてしまいます。2017年4月に、ベトナムの大学生300人の前で講演をしたときに「日本で働きたい人はいますか?」という質問をしたら、手を上げるひとが1割もいませんでした。残業や休日出勤、満員電車など、ネガティブな日本の就業環境の情報が、スマホで流れているようです。この状況を、ほとんどの日本人は知りません。だから私たちは、まず外国人労働者を受け入れるための環境づくりに取り組んでいるのです。自分の息子の時代になって、世界から選ばれない日本になってしまわないように。諸外国では、こうした環境づくりは進んでいるのでしょうか。

藤原 1993年にロンドンに住んでいましたが、息子は小学校を選ぶことができました。校長が面接をして、合格すれば翌日から入学できます。医療については、指定のかかりつけ医に検診を受けて、個人カルテをつくってもらえます。家があって定住できたら、教育と医療は翌日、翌週からすっと整うような環境でしたね。日本はまだ手続きがとても複雑なので、この課題は早くクリアしないといけないでしょう。ただ、日本はどこに住んでも初等教育の教育レベルは高い。諸外国がここまで整っているかというと、そうでもないんです。「早くちゃんとできる良い子」に育てるという「上質な普通」を大量生産できる初等教育システムは、こうした面では長所と言えるでしょう。電車の遅延がないとか、レストランや旅館のサービスレベルが高いのも、そのおかげです。

スマホで学ぶ、実践動画教育のススメ

春山 外国人労働者の環境を整える中で、教育の面で考えると、介護業界では初めての外国人教育になるので、テキストづくりから考えないといけません。彼らが就業する期間は3~5年間で、そのうち日本語研修が6カ月、介護実習においては2カ月のみ。教え方がとても重要になってくると思うのですが、どういうとことに気をつけるべきでしょうか。

藤原 例えば、東進ハイスクールの動画学習はものすごくヒットしましたね。リクルートのスタディサプリもです。いずれもオンラインで学ぶものですが、学生はパソコンではなく7~8割がスマホを使って勉強しています。スマホ画面が小さいという感覚はなく、音がよければいいようです。最近の高校生は、わからないことをググりもしない。キーワードを入れてYouTubeで検索しています。答えを一発で見たい、長文は読みたくない。それをむしろ利用すべきで、もっと動画で学ばせるのがよいと思います。これから10年先、スマホで50億人以上がつながる時代になります。世界の半数以上の人が動画でイメージ共有できるということは、脳がつながるということ。僕は、AIの進化よりも、人間の脳が50億人つながる方が社会に与えるインパクトが大きいと思っています。

春山 藤原さんがおっしゃるように、わたしもテキストよりも動画が一番わかりやすいと思います。専門用語がたくさん並んだテキストを渡すだけでは、日本語を学んだばかりの外国人では知識が身につかないでしょう。

藤原 画像で簡単に学び、再現すること。それには、最低言語の日本語しか必要ないと思います。僕は父親が認知症になり2年間ほぼ介護状態でした。そのときに感じたのは、日本語が話せるとか話せないとかよりも、微笑んで大事に思ってくれる態度を示してくれるかどうか。それがベースにあって、介護技術はヘルパーさん本人を含めた身を守るレベルで十分です。

春山 おっしゃる通りだと思います。EPA制度は介護福祉士という国家資格を取らせる制度でした。外国人にそこまで求める必要があるのかどうか、わたしは疑問に感じています。

藤原 僕はヘルパー2級を取っていますが、筆記試験はなく、何をやってはいけないのかを学びました。それで十分じゃないかと思う。

言語の違いは文化の違い、歩み寄って理解し合うこと

春山 外国人向けの最初の研修資料は、アニメの動画や漫画でつくるのがいいんじゃないかと思っています。短期決戦で、現場で活躍するスタッフを育てるためには、エンタメ要素が必要なんじゃないかと。

藤原 そうですね。外国人で日本のファンが多い分野は、圧倒的にアニメとゲーム。世界的に有名なプロサッカーのジダン選手が、漫画の『キャプテン翼』に憧れてサッカー選手になったくらいです。漫画で動機づけられて、留学に来る韓国人もあとをたちません。動画研修では、いい例、悪い例を流せばわかりやすいですね。見ればすぐわかる。言葉も必要ないんじゃないかな。

春山 はい、ノンバーバルでボディジェスチャーで見せることがポイントだと思っています。そもそも日本語は多様ですが外国語は単語が少ないので、できるだけ言葉がない方が吸収しやすいですよね。言葉の違いについては、スタッフ間のコミュニケーションについても課題が出てくると思います。例えば、「ちょっとあとで」が5分後なのか1時間後なのか。日本人は人間関係の予測のもとに判断しますが、海外の多くははっきり明確に言う文化なので、トラブルの原因になりかねません。日本人への教育も必要になってくるでしょう。

藤原 介護する日本人もされる日本人も、外国人と協働していくために学ぶことがあるわけですね。たしかに日本人は、ダイバーシティといってる割に、合わせようとしていないから。

春山 日本側のルールを押し付けると、海外から誰も来なくなってしまいます。だから、わたしたちのような立場がハブになって、日本と外国の文化や言語の違いを伝える必要があると思っています。

藤原 なるほど、それは大事なことですね。僕は、日本語ってひとりごとをつぶやくような言語だと考えています。何かを相手にストレートに伝える言語ではない。俳句でも和歌でも、ひとりごとをつぶやく中で空気が定まっていくでしょう。その場の空気に対して言葉を投じている中で、結論を保留し、場の雰囲気を和ませながら、交流していくのが日本語です。一方、英語や中国語などは、イエス・ノーとか主語が先にあり、相手に当方の趣旨を伝えるための言語ですね。

春山 今回は藤原さんに、教育だけではなく、環境づくりの大切さについてもおうかがいすることができました。これからも私たちにしかできない、外国人労働者に対する環境づくりと、動画によるわかりやすい教育づくりを目指して頑張ります。

ゲストプロフィール
教育改革実践家 藤原 和博
1955年生まれ。78年、東京大学経済学部卒業後リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。93年からヨーロッパ駐在、96年から同社フェロー。03年4月から杉並区立和田中学校校長に、都内では義務教育初の民間人校長として就任。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞。和田中をモデルとした「学校支援地域本部」の全国展開に文部科学省が50億円の予算をとったため 、08年4月からは校長を退職して全国行脚へ。橋下大阪府知事から教育分野の特別顧問を委託され、大阪の小中高の活性化と学力Upに力を貸す。2016年から2年間は奈良市立一条高校校長を務める。 著書は『「ビミョーな未来」をどう生きるか』(ちくまプリマー新書)、『校長先生になろう!』(日経BP社)、『人生の教科書[よのなかのルール]』(ちくま文庫)、キングコングの西野亮廣氏絶賛の『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済)、ホリエモン絶賛の『10年後、君に仕事はあるのか?』(ダイヤモンド)など累計81冊145万部。近著は『僕たちは14歳までに何を学んだか 新時代の必須スキルの育み方』(SBクリエイティブ)。講演の累積回数1400回を超える超人気講師。 詳しくは「よのなかnet」https://www.yononaka.net に。