【眠り研究:第11回】介護する側から寝返り介助を見る①

「眠り」研究

これまで、「高齢者の眠り」と題して、高齢者の生理的な変化、体質的な変化をもとに眠りが難しくなること、そして、褥瘡の怖さをお話してきました。


自分自身の未来、そして大切な家族にも起こるこの心配に対してどのように対処していくか、今後も寝具選びなどを通して考えていきたいと思います。

そして今回からは、介護する側から見る、寝返り介助について、気をつけるべきことや寝具の選び方のポイントなどをお話をしていきます。

できること、できないことを確認する

寝返り介護は、介護する側にとっても眠りの時間を削り、体力を削ります。とても大変な負担になるため、介護する側が体調を崩し介護ができなくなる恐れを、できる限り減らす必要があります。そのためには、今、必要な寝返り介助のフォローはどこまでのフォローなのかをきちんと把握しましょう。


例えば、

・寝返りが自分で全く打てない。
・あともう少しだけ、踏ん張りがきかない。
・寝返りで体位が変わった際に腕でのフォローができない。
・寝返りを打つ前の重心移動だけはできる。

など、いずれも「寝返りが打てない」という同じ表現であったとしても、その状態は異なります。


「 寝返り 介助 」と、インターネットで調べてみれば、「正しい方法」「負担が少ない方法」など、様々な情報を調べることができます。しかし、この検索で出てきた介助方法が先ほど挙げた4つの状態全てにとってベストな方法とは、なりません。場合によっては、本来できることも介助者が手を出しすぎていることもあります。

こうなると、介助をする側の負担も過剰にかかりますし、介助される側にとっても本来できていたことができなくなることもあります。手を出しすぎることは、優しさでも、気配りの良さでもありません。本来自分でできることは自分でし、できるだけ介助のいらない状態を保てるようにフォローすることが、介助される側、する側両方を守ることになるのです。

できないことは、やり方を変えればできるのか?を確認する。

先ほど挙げた「寝返りが打てない」4つの状態は、すべて介助が必要でしょうか。もしかすると、少しの工夫で介助なしで寝返りが打てるようになるかもしれません。


例えば、ベッドに柵を取り付けて、柵を手でつかめば、自分で寝返りが打てるかもしれません。また、寝返りは体をできるだけ球体に近づけ、縮こまることで打ちやすくなるものですから、抱き枕に抱き着き、背中を丸めることで寝返りを打ちやすくなることもあります。その他にも、ツルツル滑るシーツを滑らない素材のものに変えたり、硬さがあるマットレスに変えるなど、睡眠時の環境を変えることで介助がなくても、寝返りを打つことができるかもしれません。

さらに、寝返り補助のためのエアーマットレスやベッド自体が動く寝返り専用の福祉用具を使うのも一つの方法です。

こうした方法で介助自体を無くすことができたなら、それに越したことはありません。できないことをできるようにするにはどうしたらいいか、を検証することが大切です。

今回はここまで。

ここにまとめたことは「当たり前のこと」と思われるかもしれません。でも、こうした「当たり前のこと」こそ、改めて意識することが大切です。

介助する側にとっても、初めての介助はわからないことばかりです。必要な介助がどうしたものかもわかりません。でも、何が必要なのか、どうすればいいのかをきちんと冷静に把握していくことが重要です。

 筋力が少なくなり、寝返りの時に「よっこいしょ」と体を起こしにくくなったとき、 反発力があるマットレスがおススメです。