【眠り研究:第8回】~高齢者の眠り~[褥瘡を知る]

「眠り」研究

今回も『高齢者の眠り』について掘り下げます。

前回、前々回では、年齢を重ねて起こる眠りの変化と負担について、生理的な変化、物理的な変化をお話してきました。今回からは、特に寝返りを打てないことで起こる『褥瘡』についてお話をしていきます。

眠りと『褥瘡』~褥瘡を知る~

体に何か押し付けたり圧迫すると、肌が赤くなり、じんじんとしびれたようになる。圧迫が無くなると、血行が悪くなっていた部分にも血流がもどり、しびれや圧迫自体の痛みもなくなる。これは、健康な人も若い人も、だれもが感じる肌の反応です。

健康であれば、何かに肌が圧迫されていると痛みや違和感に気付き、すぐに体勢を変えて圧迫がされないようにします。そして、圧迫が無くなって血流が肌に戻るのも、それほど時間はかかりません。しかし、年齢を重ねたり病気やケガにより、圧迫の違和感や痛みを感じられなくなったり、体勢を変えることが難しくなると、体への圧迫には『褥瘡』の恐れが出てきます。

◎褥瘡とは……体が圧迫されることで血流が悪くなり、皮膚の壊死が起こった状態のこと。悪化により、表皮だけでなく真皮層、さらに奥まで壊死状態が進み重症化することもある。(以下、褥瘡の悪化度合いと症状の図参照)

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〇年齢を重ねることで『褥瘡』の危険が高くなる

若い方や健康な方であれば、長時間同じ姿勢でいても、肌が赤くなる程度で大きな褥瘡まで発展することはあまりありません。これは、皮膚自体も健康なためで、皮膚の弾力を作るたんぱく質が豊富で水分が十分あり、皮膚自体が体を守るバリア壁になっているのです。また、若い方は筋肉量や脂肪量が多く、これらも体を守るやわらかなクッションの役割を果たしています。

年齢を重ね、皮膚機能と筋力量などが落ちると、若い時と同じように寝ていても皮膚への負担が大きくかかり、褥瘡になるリスクが上がってしまうのです。

 原因の1つ体圧集中を防ぐには

褥瘡の原因はいくつもありますが、その原因の一つとして、体圧の集中があります。特に『眠り』の時間は長時間同じ姿勢をとるため、自然と寝返りが打てない場合、【体の出っ張った部分】に体圧が集中しやすくなります。この部分は、特に褥瘡の危険が多い場所です。


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もし、この部分に消えない赤みや痛みが出てきた場合には、要注意です。

寝返りが打てていない可能性がありますので、寝返りが打ちやすい寝具、または体圧分散をする寝具などを取り入れるようにしていきましょう。



〇体圧の集中を防ぐ寝具とは

先ほどもお話したように、褥瘡はどうしても体の出っ張った部分にできやすいものです。これは、出っ張った部分だけが寝具に当たり、その小さな面積で体重を支えるためです。

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寝具自体が体の凹凸に沿った形で体を支えれば、寝具の触れる部分全体、広い面で体重を支えることができるので出っ張った部分だけに体圧が集中することがなく、褥瘡予防となります。そのため、褥瘡予防と謡われる寝具や、体圧を分散させる寝具として、低反発の素材や、体を点で支える構造のマットレスなどが有名なのです。

なお、そうした特別な寝具がない場合には、体の凹凸に合わせ、部分的にクッションや丸めたタオル入れるなどのサポートも効果的です。ただ、ご注意いただきたいのですが、低反発の素材は蒸れが生じる心配があります。この点は、次回、お話いたします。

褥瘡予防にも効果的 ウェルピュアマットレス(WPM)の特徴