【眠り研究:第7回】~高齢者の眠り~[寝返りを打てなくなる]

「眠り」研究

今回も『高齢者の眠り』について掘り下げます。

年齢を重ね、体の変化が起こるとともに、眠りにもその変化が出てきます。寝ている間の変化は気づきにくいものですが、毎日のことだけにその負担は確実に体に重なっていきます。これは、自分自身に起こる変化、また大切な家族に起こる変化ですので、その知識を増やしていきましょう。

高齢者の眠りを知る(2)

前回は眠りのメカニズムについてお話し、年齢を重ねるとそのメカニズムが上手く働かなくなることをお話しました。今回は、体の変化についてです。


〇寝返りができなくなる

睡眠時には、ヒトは無意識に寝返りを打ちます。これは、体の血行を促し、体の一点にかかる体圧を分散し、体温調整をするためです。しかし、寝返りには、筋力や体の柔軟性が必要で、年齢を重ねて筋力が落ちてくると、だんだんと難しくなってきます。寝返りは寝ている時に打つ、無意識の動きなのですが、実はとても複雑な動きをしています。

いろんな寝返りの打ち方がありますが、一つの例を見てみましょう。

例えば、仰向けの状態から、横向けの状態になるとき、そのまま腕や足の力だけで体勢を変えるのは大きな負担がかかります。できるだけ負担なく、スムーズな動きができるよう、ヒトは寝返りを打つ方向と反対の肩を上げ、頭の向きを変え、寝具への接地面を減らして重心を移動させます(①→②)。そして、小さな力で上半身を回転し、その回転の力を利用して下半身も回転、ひざを立て、安定した姿勢になるよう調整をします。(②→③)

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これだけ見ても、肩、頭、腰のひねり、下半身のひねり、足を曲げるといった多くの動作が必要です。また、自分の体重を移動させるだけの筋力が必要です。複雑な動き、スムーズな動き、そして筋力が必要になるため、身体能力が落ちてくると、寝返りが非常に難しい体の動きになってしまうのです。


〇寝返りができないと眠りの時間が負担に

寝返りを打てないと、体への負担は非常に大きくなります。

まず、血行が滞ります。うっ血すれば体に痛みが走ります。一時的なものだけでなく、肩こりや腰痛、背中のなど慢性的な痛みを生む原因にもなります。

さらに、寝返りを打てないと、体重を支える部分が変化しません。そのため、寝具に当たり、体重を支え続ける部分には、うっ血の他、体重がかかる体圧の負担が大きくなってしまいます。

そして、体温調整もできません。寝具と体の接地面がずっと変わらないため、その部分に熱がこもり湿気もこもりますので、汗をかきやすい状態が続いてしまいます。

いずれも、不快な睡眠環境になりますので、浅い眠りの時間では、目覚めやすくなりますし、何よりダメージを回復するはずの眠りの時間が、反対にダメージを受ける時間になってしまうのです。

寝返りの重要性を知る

本来、回復の時間のはずの眠りの時間が、反対にダメージを受け、疲れる時間になってしまう。眠りの時間に自分がどれだけ寝返りを打っているのか、それを知ることは困難ですが、次のように変わってきたなら、寝返りを打ちにくくなっているのかもしれません。

・寝ているのに、疲れが取れない。

・寝て起きた直後の方が疲れている。

自分自身がそう感じた場合、起きている時に寝返りの動きをいつもの寝具の上で試してみましょう。

もし、寝返りがしにくい場合には、寝具の硬さや柔らかさが合っていないかもしれません。また、寝具と衣類の摩擦も寝返りの妨げになっているのかもしれません。その点で、寝具の見直しをしてみましょう。

また、家族が上手く眠れていないと感じる場合、寝返りの様子に気を配ってみましょう。家族が元気だと、寝ている様子を観察することも少ないため、眠りの変化に気づいていないこともあります。寝返りの重要性を知り、自分と家族、それぞれが良質な睡眠がとれているかをチェックする機会にしてみてください。

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