新在留資格「特定技能」2つのリスクにフォーカス! 出入国管理法の改正案が参議院で可決!

外国人介護士

新在留資格「特定技能」の法案が成立!

12月8日のNHKその他主要メディアによりますと、参議院は8日未明、本会議で外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案を与党などの賛成多数で可決しました。
法案の成立を急いだこともあり、法律の内容自体はスカスカのため、詳細は今後省令で定めることとなっています。

初めて「労働者」を受け入れる在留資格

新在留資格「特定技能」は、日本で初めて一般的な外国人労働者を受け入れるための在留資格となります。就労目的で日本に在留が認められるためには、いわゆる「専門的、技術的分野」の人材に限られていましたので、大きく門戸を開いたかのように見えます。

しかし、新在留資格「特定技能」を取得することが出来る業種は、※14業種(下記参照)に限られています。また、業種ごとに日本語と技能の試験を課しており、ある程度の日本語能力と技能を持ち合わせている「即戦力」であることが条件となります。つまり、外国人が誰でも日本に来て働けるわけではないことには注意が必要です。

<※14業種>
◇建設 ◇農業 ◇漁業 ◇飲食料品製造(水産加工を含む) ◇自動車整備
◇航空(空港グランドハンドリング・航空機整備) ◇造船・船舶工業 ◇素形材産業
◇電気・電子機器関連産業 ◇産業機械製造 ◇介護 ◇宿泊 ◇外食 ◇ビルクリーニング

「特定技能」のリスクとは?

法律の詳細が未定ではありますが、省令を待たずとも法律を見れば内在するリスクを予見することは可能です。介護分野に絞りますが、どのようなリスクが特定技能にあるのか確認しましょう。

リスクその① 試験に落ちて、人事計画が狂う

国にもよりますが、日本語教育は外国人の母国でも盛んにおこなわれています。時間を掛けて勉強すれば合格ラインを突破することは可能でしょう。

しかし、介護の技能試験となりますとハードルが上がります。来日が予想される国々では高齢化が進んでおらず、介護技能を学習する環境が限られます。教室内でのロールプレイング研修だけでは、特定技能が求める「即戦力」とはなり得ません。不合格となり入国できなければ、「即戦力」を予定していた人事計画に狂いが生じる恐れがあります。

リスクその② 「転職OK」は、諸刃の剣

特定技能では労働者の権利である「転職」が認められています(職種の変更は不可)。即戦力の外国人が転職して来てくれば、こんなに嬉しいことはありません。しかし、その逆もあり得るのです。
元々日本国内に根を下ろしていない外国人は身軽です。そして、SNSで雇用条件を盛んに交換しており、簡単に自分と比較できるため、転職の誘惑に心が揺れるのです。
つまり、この制度を利用して外国人介護士を採用したとしても、職員がすぐに退職するという悩みが解決するわけではないのです。

最後に

「特定技能がどのようになるのか見極めてから外国人の採用方法を決めたい」という介護関係者の声をよく耳にします。しかし、特定技能は技能実習制度を延長させるための施策であることは11月28日の「新在留資格「特定技能」は期待できない?! 入国管理法の改正案が衆議院を通過!」でお伝えした通りです。

特定技能の最大のリスクは、様子見による時間の浪費です。

既に日本人だけで介護人材の不足を解消できないことは周知の事実です。また、介護職の人材は他の先進国だけでなく、韓国・台湾・香港・シンガポールやがて中国との争奪競争となります。早く実績を築かなければ外国人が見向きもしてくれない・・・というのは、言い過ぎでしょうか。

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