新在留資格「特定技能」は期待できない?! 入国管理法の改正案が衆議院を通過!

外国人介護士

論戦の場は衆議院から参議院へ!

11月28日の読売新聞・朝日新聞・その他主要各紙によりますと、衆議院は27日夜の本会議で外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案を与党などの賛成多数で可決しました。付則として法施行後の見直し時期を「3年後」から「2年後」に短縮するという修正はありましたが、引き続き今日から参議院で審議がおこなわれます。そして、12月10日の国会会期末までの成立を目指しています。

外国人労働者の受け入れ見込み数

11月14日の日経新聞によりますと、新在留資格「特定技能」を導入する2019年4月から5年間の最大受け入れ見込み人数は34万5千人を予定していると、法務省が国会に提示しました。介護が6万人と最も多く、外食5万3千人、建設4万人などと示していますが、全体の45%は「外国人技能実習制度」からの移行を見込んでいます。

「介護」の6万人の真相は?

介護が6万人と最も多いため、介護業界の一部からは「人手不足の解消が見込める」と、特定技能の成立に期待する声も聞かれます。しかし、厚生労働省が法務省に示した6万人という数字は単に

「向こう5年間で、更に確保が必要な介護人材の数」に、
「約16%の施設が外国人材の活用を希望している」

という調査結果を掛け算しただけの、見込み人数に過ぎません。

特定技能は、あくまでも技能実習制度の延長施策!

新在留資格「特定技能1号」を得るためには、
〇技能水準は、受入分野で即戦力として活動するために必要な知識又は経験を有する事
という条件があり、試験に合格しなければなりません。

しかし、介護が産業として発達していない途上国では、介護の技能を学ぶ機会に恵まれていません。また、要介護高齢者を相手に「介護」をしたことがなければ経験を有するとは言えず、即戦力にはなり得ません。
よって、「特定技能1号」の試験に合格するのは非常に困難だと思われます。

ところが、試験無しで特定技能の在留資格を得る手段があります。
その条件が、外国人技能実習制度に基づき、実習を3年以上修了していることです。
3年間真面目に働けば、「即戦力」であることは間違いないからです。

最後に

介護にだけ目を向けていると気付きませんが、建設・農業・水産加工・金属加工など、既に技能実習制度の歴史が長い業種から見ると、来年の4月に特定技能の在留資格が誕生すれば、今いる実習生が帰国せず日本に残ってくれる可能性が出てきます。

つまり来年の労働者不足をどうするか?が特定技能の本質であり、
来年の参議院選挙を見据えた自民党の集票戦略であることを忘れてはいけません。

介護業界には直ちに恩恵があるわけでは無いことを理解する必要がありますのでご注意ください。

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