介護業界ではどうなる!?外国人在留資格「特定技能」新設で永住も可能に?

外国人介護士

外国人介護士の採用方法は、現在3種類(EPA、留学生、技能実習制度)ありますが、新たに「特定技能」という4番目の在留資格が出来る予定です。
10月11日の読売新聞・朝刊によりますと、翌10月12日の閣議で関連法案の骨子が提示され、この秋の臨時国会中に法案が提出~採択される見通しです。
この新しい在留資格の「特定技能1号」そして「2号」について特徴的な点を確認していきましょう。

特定技能1号・2号

まずは「特定技能1号」という名称の在留資格です。
入国から最長5年間就労できますが、そのための条件として
「相当程度の知識または経験を要する技能」を持っていることが挙げられます。

日本語と介護技能の試験の両方に合格すれば在留資格を得られますが、「相当程度の知識~」とはどういう内容か気になるところです。最低でも「基本的な日本語を理解することが出来る」とされる日本語能力試験「N4」相当であること、基礎的な介護技能を習得していることが必要だと言われていますが、詳細はこれから決まります。
また、受け入れた法人に対して、日本語教育などの生活支援を義務付けており、長期間働ける環境づくりが必須となります。

さらに難しい試験に合格し、「熟練した技能を持つ」と認定されれば、
「特定技能2号」という在留資格の取得が可能となります。在留資格の更新の上限がなくなる、つまり永住も、そして「1号」では認められていなかった、母国から家族を呼び寄せて一緒に暮らすことも可能となるのです。

このように外国人労働者への門戸を広げるにあたり、国も出入国や在留管理を厳格化します。法務省の内局だった入国管理局を外局に格上げし、「出入国在留管理庁」を設置します。不適切な就労が疑われる法人に対し、立ち入り検査などで厳しく対処する方針です。

事実上、技能実習制度における在留期間の延長か?

「特定技能」の在留資格の取得には、試験に合格することが前提条件となりますが、技能実習制度と組み合わせることも可能です。
技能実習生が3年間(最長5年間)の実習を終えると、試験を受けなくても「特定技能1号」の在留資格を取得することが可能なのです。技能実習制度自体、介護職種はスタートしたばかりですが、同じく人材不足に悩む建設・農業その他の業種では、今いる技能実習生が日本に残る可能性が出てきたのです。また、帰国した実習生も、再度日本で働く道が開かれる可能性があるのです。

そして、技能実習と特定技能1号を合わせれば、最長10年間も日本で働くことが出来ます。長期間日本に滞在できるので「特定技能2号」の試験合格の可能性も高まるため、事実上技能実習生にも永住の道が開かれたことになります。

永住か、それとも帰国か

今まではEPA制度での入国者もしくは留学生が、介護福祉士の国家資格を取得しなければ永住できる可能性はありませんでした。しかし、新たな方法の出現により、日本で長く働いてくれる人材が今まで以上に増える可能性があることは大変喜ばしい限りです。

しかし、外国人にとって、日本は本当に住み続けたい国なのでしょうか(難民の方を除く)。
外国人労働者を、低賃金の使い捨てにしてきた実績のある日本に、夢を持って住み続けたいと思う人がどれだけいるでしょうか。
外国人労働者の多くが「お金を稼ぐこと」を目的としています。
お金を稼いで持ち帰るからこそ、母国で裕福な暮らしが出来るのです。日本人と同等以上の賃金が義務付けられたとはいえ、職種によっては日本人も敬遠する労働環境と低賃金です。そのような職種に就いた外国人労働者が、新しい在留資格が出来たからと言って、日本での永住を望むでしょうか?

最後に

外国人の介護士を雇用しようと考える場合、その多くが短期間で母国へ帰ることを念頭に置くべきだと考えます。
介護は単純労働ではありません。高度なコミュニケーション技術も必要です。人材を育てるためには多くの時間と労力が必要です。「10年以上働いてくれる」「永住してくれる」と期待していると、母国へ帰られた時の徒労感は非常に大きくなります。

新しい在留資格が誕生したことは喜ばしいことですが、介護施設の経営を、人事を考えるとき、冷静な目を持つ必要があるのではないでしょうか。

当社では「特定技能」と技能実習制度を比較できる見やすい表形式の資料を配布しています。受け入れの制度検討にあたって、記事と併せてぜひご活用ください。以下バナーをクリックするとダウンロード用の入力フォームへと移動します。